アロマとヘアトリートメント(長谷川桜子)

損傷毛のオイルトリートメント

一週間に一度オイルトリートメントを

ヘアは、多くのことで損傷をうけます。例えば、天候やパーマや染毛により、またカールやブリーチにより、場合によっては作用の強いシャンプーでひんぱんに洗髪することによっても損傷をうけてしまいます。その損傷の原因がどんなものであっても、あなたのヘアにつやがなくなり、ぱさぱさ乾いた感じになったときには、一週間に一度オイルトリートメントを行うと、ヘアに肝要な栄養分を回復させ、ヘアの外観を改善するとともに、頭皮に栄養分を補給して、そこからヘアが生えてくる「土壌」の状態をよくすることができます。

ヘアトリートメントのやりかた

2~3時間をさいておいて下さい。まずはじめにトリートメント用のブレンドオイルをつくっておいてから、ヘアをいくつかの部分にわけ、適量のトリートメントオイルをティーカップの受け皿か小さいボウルに注ぎ、脱脂綿をそこにひたします。このトリートメントオイルをそれぞれのヘアの部分にそってつけ、ぜんぶつけ終わったら、オイルをしみこませた脱脂綿でヘアの先端まですうっとなでるようにします。ヘアの先端のところはいちばん乾きやすい、枝毛になりやすいところですので、ここにはたっぷりとトリートメントオイルをつけて下さい。こうしてヘアにすっかりオイルがしみこんだら、頭の上にヘアをつみあげて、タオルでラップします。そして、そのまま最低2時間おいてオイルを十分に作用させて下さい。それからヘアを洗います。このときいちばんよい方法は、まずヘアに適量のシャンプーと少量のお湯をつけてオイルを乳化させるようにして洗ってから、さらにふだんと同じやりかたで洗髪します。

パーマやブリーチによって損傷をうけたヘア用のトリートメントオイル

ローズウッド油 15滴
ゼラニウム油 5滴
サンダルウッド油 5滴
ラベンダー油 5滴
ホホバ油 10ミリリットル
これらをいっしょに50ミリリットルのキャリアオイルに加えてできあがりです。

脂性のヘアのオイルトリートメント

ティートリー油、レモン油、ゼラニウム油、ラベンダー油が有益

ヘアが脂性になるのは、皮脂腺の活動が過多になるためですが、これは思春期にはひろく生じますし、また生理のとき、ストレスに襲われた場合にもおこることです。精油のなかには、収れん作用を示さず、また頭皮を乾燥させたりせずに、皮脂腺の働きを正常化する作用をもつものがいくつかあります。ティートリー油、レモン油、ゼラニウム油、ラベンダー油は、ヘアが脂性になる症状に有益であるとともに、これらの精油に抗菌力があるために、頭皮に吹きでものが生じるのをおさえる働きを示します。脂性のヘア用の処方にしたがって、各精油をミックスしたあと、それをソフトに頭皮にマッサージしてすりこみます。処方どおりにトリートメントオイルをつくってからあとは、さきにのべた損傷毛のトリートメントのときと同様にしてトリートメントを行って下さい。

脂性のヘア用のトリートメントオイル

ベルガモット油 12滴
ラベンダー油 13滴
ホホバ油 5ミリリットル
これらをいっしょに50ミリリットルのキャリアオイルに加えてできあがりです。

ノーマルヘアのコンディショナートリートメント

ノーマルヘアには質のよい脂肪油とホホバ油

ノーマルなタイプのヘアにすばらしく美しいつやをそえるには、適量の質のよい脂肪油を用意して、ここにホホバ油と何種類かの精油を加えて、それをヘア全体につけてマッサージすることです。このとき、とくにロングヘアの先端部分にもよくこれをつけて下さい。ここはとくに枝毛ができやすいところです。それから、ヘアを頭の上につみあげて、タオルでおおって下さい。そして、そのまま30分から1時間おいてから、まずシャンプーと少量のお湯をつけて油を乳化させ、そのあとでマイルドなシャンプーでふつうに洗い流します。ホホバ油はスイートアーモンド油そのほかのナッツ油よりもずっと高価ですが、これはベースオイルのなかにほんの10パーセントだけ加えればすみます。ロングヘアだったら、いつもこの成分を組みあわせて使用するといいでしょう。ショートヘアなら、ナッツ油のベースを使わずに、ホホバ油と精油類だけをコンディショナーとして用いてもいいでしょう。

アロマセラピーのコンディショニング剤は、頭皮にもとてもよい働きをする

一週間に一回、このトリートメントをしていますと、ヘアを美しく調えることができ、ふつうのコンディショナーではちょっとだせないつやをそえることができます。アロマセラピーのコンディショニング剤は、スーパーマーケットで買ったヘアコンディショナーとはまったくちがったかたちで働くのです。市販のコンディショナーはヘアの化学的なコーティングを変え、その分子構造をアルカリ性から酸性に変化させるように処方されています。ですから、これは化粧品として役に立つだけです。ホホバ油のほうは、それとはぜんぜんべつのかたちで作用します。というのは、この液体ワックスがヘアをコートし、ヘアをなめらかでつやつやしたものにするばかりでなく、頭皮にもとてもよい働きをするからです。

その時の気分で、好きな香りの精油を加えてみる

健やかな頭皮は健やかなつやのよいヘアをもつための基本です。ホホバの香りは不快なものではなく、かるくこげたようなにおいがしますが、私はこのホホバの自然の香りをもう少し改善して、自分がヘアコンディショニングと頭皮のコンディショニングを行っている間、自分をその芳香でとりまきたいと思うのです。そこで私は、あるときはローズウッド油を1滴、あるときにはサンダルウッド油を1滴、またあるときにはバラ油を1滴それぞれホホバ油に加えてみます。しかし、私がいちばんよく使用するのはクラリセージ油です。