精油のブレンドのしかた(長谷川桜子)

精油類を正しく選んでブレンドする

精油にも相性がある

私たちが2~3種類の精油をブレンドして使用するときには、調和のとれたブレンドをつくるために、正しく精油を選ぶことが重要です。精油のなかには、完璧に「マリアージュ」するものがあり、それによって全体としての効果がいっそう改善されます。またその反対に、一部の精油類にはブレンドしてもよくあわず、不調和な香りになってしまうものもあります。精油類を正しく選びだし、それらをいっしょにブレンドして精油の力を向上させることを、相乗作用を発揮させるといいます。

相乗作用を示すブレンドをみつけるには

アロマセラピーについて書かれたさまざまな本の情報によって、ある特定の障害にはどんな精油類がすすめられるかということを正確にのべるのは、かなり容易になっています。でも、治癒力があるとしてリストアップされている精油類のうち、あるものとあるものはブレンドしてもよくあいませんが、よくあうもの同士もあります。では、いったいどうすれば、相乗作用を示すブレンドをみつけることができるでしょう。

正しいブレンドのやりかた

私がみつけた、精油の正しいブレンドのやりかたは、つぎのとおりです。

紙片に吸わせた精油の香りで判断する

まず、吸取り紙(約5ミリ×12センチの長さのもの)を何枚かとります。それぞれの紙を自分が選択候補にとりあげたおのおのの精油のために用います。そして、紙片のうちの一枚にある精油を1滴つけ、その精油の名前をその紙片の反対側に書きます。この作業を、自分が考えた各精油を、それぞれ吸取り紙一枚ずつにしみこませるまでつづけます。それから、私はなかでもいちばん重要な精油と思うものをきめ(例えばラベンダー油)、それを「キー」精油と呼ぶことにします。そのキー精油の紙片のとなりに、ほかの精油の紙片をおきます。ただし各紙片は触れないようにします。そして、その二枚の紙片の香りを嗅いで、それらの芳香がおたがいに調和しているかどうかを判断します。もし、その二番めの精油の香りが私のキー精油の香りとうまくマッチしないようだったらその二番めの精油の紙片をすて、キー精油のそばに三番めの精油の紙片をもってきます。

香りの合う精油を選び出し、調和のとれたブレンドを作る

こうして、私は手のなかに集めてもっている精油の紙片をつぎつぎとキー精油に加えつづけ、香りがよくあわないものはすてていき、ぜんぶの紙片をテストして、調和のとれたブレンドを選びだして満足します。次いで、私は望む各精油をどんな割合でブレンドしたらよいかを調べ、それぞれをいっしょにミックスします。

できあがったブレンドの使用方法まで意識する

こうしてできあがった「香水」が適切なものだったら、このブレンドを沐浴、ボディーマッサージオイル、フェイシャルマッサージオイル、吸入、香水のどれに用いたらよいか、また、どういう人間がこれを使えばよい反応が期待できるかを考えます。使用した各精油はすべて正しい治癒力をもつ成分なのですが、最終的にできあがったものがこころよい香りがしないという場合には、それをうけ入れる人間は無意識のうちにその治療を拒んでしまうものです。それが気持ちのよいものでなければ、不愉快なのです。

精油はほんの少量を使用する

精油を使うときには、どうかいつも精油は強力で濃縮されたものだということを念頭において下さい。少量で有益だからといって、大量に用いればなおよく効くということにはなりません。ほんの少量だけを使用することです。

2パーセントの濃度が精油の最大限度量

精油を2パーセントの濃度で使うというのが、精油を用いる際の最大限度量です。敏感肌の多くの人びと、小さいこども、それに日本人のように強い芳香を好まない人種には、さらに稀釈したブレンドのほうがうけ入れやすいものと思います。

こどもにはマイルドな精油だけを

一部の精油はほかの精油よりもいっそう研究がいきとどいています。こどもたちに精油を用いるときには、そのデリケートな肌のことをいつも考えて、皮膚にマイルドだとしてすすめられる精油だけを使用します。

有機栽培した植物から作った、添加物のない純粋な精油だけを使用する

私たちが精油を自分に使うときでもこどもたちに用いる場合でも、植物を蒸溜してつくり、何もほかの成分を添加していない純粋な精油だけを使用することが大切です。それが可能なときにはいつも、有機栽培した植物からとった精油を買うようにして下さい。

ひとたび鼻がほんものの植物精油の香りをそれと認識し察知することを学べば、その鼻を合成した精油でだますのは容易ではありません。

マッサージ用のベースオイルには、ナッツ油やスイートアーモンド油がおすすめ

マッサージオイル用のベースオイルとしては、ナッツ油はすべてけっこうですが、私が好きなのはやはりスイートアーモンド油です。オリーブ油も使うことができますが、私はオリーブ油の香りはきつすぎて、精油を圧倒してしまうと思います。フェイシャルマッサージオイルは、ベースオイル98パーセントにたいしてかならず2パーセント以下で用いることです。