アロマセラピーによるスキンケア(長谷川桜子)
アロマで美しい肌へ
私たちの肌は生きていて、呼吸している器官
健やかな血色のよい肌は、美しく見えるための基本です。メーキャップをして肌を隠して、素肌を人に見せないようにしている女性はたくさんいます。しかし、メーキャップというものも、身をかざるものの一つです。夜になって衣服をぬぎ、メークを落とせば、私たちは自然のままの姿になり、そのうしろには何も隠していない状態になります。私たちは自分の体を、衣服をそこにかけておく人台のようにあつかい、下の肌の状態にあまり気を配らずに顔にメーキャップを施すことはとても多いものです。私たちの肌は生きていて、呼吸している器官です。これは私たちの友人で保護者です。尊重され、十分にケアをうける値打ちがあるものです。肌をケアし、健やかでなめらかな肌を誇りに思うのはただの虚栄ではなく、正しい常識です。
必要なのは、肌を清潔にし、栄養を与えること
顔の肌色を美しく見せ、しみもなく、触れるとソフトな肌になるには、長い時間をかけたり、大金をつぎこんだりする必要などありません。必要なことのすべては、肌を清潔にし、肌に栄養を与えるように日ごろ配慮することだけです。自然の修復プロセスはゆっくりですが着実に進んでいき、肌の細胞は絶えず更新されていきます。
アロマを使ったフェイシャルマッサージは夜に
アロマセラピーのフェイシャルマッサージオイルを夜、使用しますと、皮膚細胞の更新がもっとひんぱんに行われるようになります。
芳香浴とほほえみ
なめらかな肌のつぎによいものは、ほほえみです。ほほえみは、およそ器量よしとはいえない女性の顔でも晴れやかに輝かせます。一日の心配ごとを芳香浴で鎮めて下さい。精油類をあなたの家とオフィスにふりまいて下さい。そして、ちょっとした体の不調を、それが心配ごとになってしまう前に解決するように努めて下さい。
ほんとうの美しさは体の内側から生まれる
ほんとうの美しさは、体の内側から生まれるものです。この美しさは、クリームのように容器に入れて売っているものでもなければ、マッサージして体のなかに入れることができるものでもありません。ビューティーサロンで手に入れることもできないものです。これはその人が心身ともに健康状態を改善し、バイタリティーを増進させて自信をつけることでえられるものなのです。
アロマセラピーを利用し、よい食生活を行い、積極的な生活態度をとる
どんな人でもヘアを健やかにつやつやさせ、目を美しく輝かせ、肌をサテンのようにやわらかにし、幸せいっぱいの顔つきになることができます。私について申しますと、自分の満足感と幸福にとって、根本的に重要なのは瞑想です。瞑想はこれまで私の生活に美しい変革をひきおこしています。しかし、こうした精神的な錨があろうとなかろうと、私たちは自分の外観を改善することができ、アロマセラピーを利用し、よい食生活を行い、積極的な生活態度をとることによって、絶えずスキンケアをすることができます。私たちはみんな、自分自身を改善し、自分のなかに隠れているものをフルに発揮させることができます。まだ、私たちの表面にあらわれていない部分は、いま見えている部分よりもはるかに美しいのです。
スキンケアに精油を使うときには
精油はとても強力な物質ですから、注意してあつかう必要があります。決して皮膚に用いてはいけない精油も一部にあります。こうした精油類は、このページでは除外するか、医薬品的に使うときにはそれを皮膚に使用してはいけないという注意をそえるかしています(クローブ油がその例です)。
スキンケア時のポイント
つぎのポイントを覚えておけば、精油類を安全に皮膚にたいして使うことができます。
- 自分が用いている精油がほんものであることを確かめて下さい。「精油」というラベルがついているただの「香水」は使用しないで下さい。かならず評判のよい信頼のおける会社から精油を買い求めることです。
- 顔に稀釈しない精油を絶対に使わないで下さい(ラベンダー油やティートリー油を吹きでものに塗布する場合はべつです)。精油は非常に濃縮されたものなので、これを分散させ、マッサージする場合には、それを肌の上にひろくのばせるかたちにするために、脂肪油が必要になります。
- 鉱物油(ベビーオイルなどがそうです)に精油をまぜて用いることは禁物です。鉱物油は皮膚に浸透しませんので、精油の働きをさまたげてしまうからです(鉱物油は皮膚のバリヤーとして働きます。これが赤ちゃんのお尻を守るためにひろく使用されるのは、このためです)。
- 精油はキャリアオイルで稀釈して下さい。キャリアオイルとしては、スイートアーモンド油、杏仁油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、ヘーゼルナッツ油などのような植物油あるいはナッツ油ならどれでも使えます。オリーブ油も用いることができますが、これには独特の香りがあります。このにおいのせいで、精油の、よりデリケートな香りが圧倒されてしまうことに私は気がつきました。小麦胚芽油には、天然のビタミンE(酸化防止剤です)が含まれていますので、つくったマッサージオイルを一週間以上もたせたいときには、私は小麦胚芽油をマッサージオイルに10パーセント加えるのが好きです。つくって一両日のうちに使用する予定のマッサージオイルには、小麦胚芽油を加える必要はありません。小児脂肪便症になっている人びとは小麦胚芽油に耐性がありませんので、こうした人びとにマッサージを行う場合には、新鮮なマッサージ油を用意して下さい。
- 毎日のフェイシャルマッサージオイルには、ベースとなるオイル98パーセントに2パーセントの精油をまぜたものが理想的です。
- ベースオイルに精油を落としているときに、うっかりして手をすべらせ、予定していたよりも多くの精油がオイルに入ってしまうことがあります。そんなときには、ベースオイルの量を適宜ふやせばよいのです。
- 精油は水には溶けませんが、水のなかに精油を十分に分散させれば、肌のクレンジングにその水を使うことができます。このブレンドは用いる前にかならずよくシェイクして下さい。